電波測定器(レベルチェッカー)の使い方 地デジ編
電波測定器(レベルチェッカー)LC60WSの使用方法をご説明致します。
レベルチェッカーLC60WSは、UHF(地デジ)、BS(右旋・左遷)、110°CS(右旋・左遷)の電波の測定が可能です。
DIYでアンテナを設置したい方で、ご自宅の受信状況の把握やアンテナの方向調整や、壁面にあるテレビ端子等にてアンテナ受信状況の確認ができます。
はじめに
使い方自体はそれほど難しい物ではありませんが、レベルチェッカーの使用前に、事前に調べておく必要がある事項があります。
特に地デジ(UHF)ですが、使用前にご自宅周辺のテレビ電波塔(電波中継局)がどの方向ににあるのか?そしてその電波塔の物理チャンネルを知っておく必要がございます。
物理チャンネルとは、地上デジタル放送(テレビ)はUHF帯(470~710MHz)で放送されています。UHF帯にはそれぞれチャンネル番号が1チャンネルあたり6MHzずつ13~52chまで割り当てられ、これらのチャンネル表記は周波数帯を数字化したものであり、物理チャンネルと呼びます。
テレビには物理チャンネルとは別に放送局が固有で所有するチャンネル番号(例:NHK総合は1ch・・・関東広域の場合)で1~12chまで区分化されます。このチャンネル番号をリモコンチャンネルと呼びます。
従って、物理チャンネルとリモコンチャンネルは一致しませんので注意が必要です。
この物理チャンネルは、各電波塔によって割り振られているチャンネルが違います。
例えば、電波塔で一番有名なのが「スカイツリー」ですが、スカイツリーから出ているNHKーG(総合)の物理チャンネルが、”27ch”です。
ですが同じNHK-Gでも横浜ランドマークタワー(みなとみらい中継局)ですと物理チャンネルが”51ch”になります。
同じ放送局でも電波塔が変わると、物理チャンネルが変わります。レベルチェッカーで電波を測定する場合、この物理チャンネルに合わせて数値を測りますので、まずはご自宅周辺の電波塔の方向・電波塔の名前・物理チャンネルは調べておきましょう!
電波塔(中継局)の調べ方
電波塔の調べ方ですが、「A-PAB」放送サービス高度化推進委員会で調べる事ができます。
地図上からも調べる事ができますが、一番簡単なのは住所を入力すれば、近くの電波塔が地図上に表示されます。
上記の地図がA-PABで調べた地デジエリアです。
赤い十字マークがご自宅だとします。地図上にオレンジ・青・ピンク・緑で囲まれたエリアがありますが、それは各電波塔から出ている地デジ電波の有効範囲です。
ご自宅が、その有効範囲内なのはオレンジの部分だけです。オレンジは「御殿場中継局」ですので、ご自宅には御殿場中継局の電波が届いていることになります。
ご自宅から見て御殿場中継局は北北西方向ですので、電波は北北西方向から来ている事になります。
場所によっては複数の電波塔から電波が届いている場合もあります。
上記の受信エリアですが、あくまでも理論上?です。ご自宅付近の立地条件(隣にデカいマンションがある・土地が窪地等)により電波状況は左右されます。
物理チャンネルの調べ方
ご自宅付近の電波塔の把握ができれば、あとは「ウィキペディア」などで、御殿場中継局を検索して頂ければ、物理チャンネルが分かります。
因みに御殿場中継局の物理チャンネルは、13,14,15,17,20,29chの6局になります。
あとはレベルチェッカー使用時に、上記で調べた物理チャンネルに合わせれば受信状況を調べる事が可能です。
レベルチェッカー使用方法(地デジ)
それではレベルチェッカーLC60WSの使用法のご説明です。まず地デジからご説明致します。
まず画面右下にある電源ボタン(赤いボタン)を長押ししますと電源が入り、上記の画面表示になります。
電源を入れますとデフォルトでUHF(地デジ)測定モードになります。
画面左上の13と表示されているのが物理チャンネルです。
画面左下がレベル(電波強度):電波の強さになります。数字が大きければ大きいほど電波が強い事になります。
画面右中央がMERです。MERとはModulation Error Ratioの略です。
受信したテレビ信号が、デジタル変調(振幅・位相)において、放送局から送信された振幅・位相と、実際の振幅・位相との差を数値化したもの。25dB以上であることが、受信良好な状態の目安となります。
画面下の十字キー左を押すと、MER表示からBER表示になります。
BERとはBit Error Rateの略です。
放送局から送信されたテレビのデジタル信号が、搬送中にノイズなどの影響を受けずに、どれだけ正確に受信できたかを信号の誤り率で数値化したもの。
「2.00E-4(2.00×10-4)」以下であれば受信可能な状態ですが、「0.00」が受信良好な状態の目安となります。
では、実際にレベルチェッカーを使用して、自宅のテレビ端子にて測定してみました。
レベルチェッカーをレンタルしますと、1.5mコネクター付き同軸ケーブルと中継アダプタが付属されております。これを使ってテレビ端子や同軸ケーブルに接続して測定します。
レベルチェッカーに電源を入れて自宅のテレビ端子に付属の同軸ケーブルを使って接続します。
物理チャンネルを13chに合わせますと、現状の電波状況が測定できます。
レベル(電波強度)は62.6dBμV、MERは30dBです。「Hi」と表示されています。
十字キーの左側をおしてBERも測定します。
BERは「0.00E-0」です。
まずレベルですが62.6dBμVあれば十分です。末端のテレビ端子で50dBμV以上出ていれば、よほどの事がない限り問題ありません。45dBμVでも、テレビやレコーダーの性能によっては大丈夫でしょう。
40dBμV以下ですと、ブロックノイズが出てくる可能性があります。
MERは30dBです。このレベルチェッカーではMAXの数値ですので、問題なしです。
BERも「0.00E-0」でエラーなし。MAXの状態です。
上記にもありますが、MERが25dB以下、BERが2.00E-4以上ですと受信状況が悪い事になります。電波状況が悪いのか、ブースター、アンテナ等の機器の故障が疑われます。
MER・BERとも数値に問題なければ「GOOD」表示が出ますので、単純にGOOD表示の有無で判断しても問題ありません。
では、十字キーの上下「UP」と「DOWN」ボタンを押して物理チャンネルを切り替えます。
UPを押して物理チャンネルを14に合わせました。14chも問題なさそうです。この繰り返しで全チャンネルを確認してください。
地デジアンテナの方向調整(設置)に使用する場合
まず地デジアンテナの設置にレベルチェッカーを使用する場合は、自己責任にてお願いいたします。
場合によっては高所での作業となりますので、十分な事故対策を行ってからの作業をお願いいたします。
レベルチェッカーを付属の同軸ケーブルを使用して地デジアンテナに接続してください。
近くの電波塔の方向にアンテナを向けて、レベルチェッカーの物理チャンネルを合わせてから測定します。
レベルチェッカーの測定値を見ながら、レベル・MER・BERが最も良い数値になる場所を探しながら移動したり、方向調整してみて下さい。
アンテナ設置はとても危険な作業です。電波状況が良い場所が見つかればよろしいのですが、どうしてもGOOD表示が出ない場合は、無理せず諦めるのも大事です。
上記の画像は、屋根上にてアンテナ設置作業をしている画像です。
レベルに関してはブースターを接続後の数値ですので75.8dBμVと高い数値ですので参考値ですが、MERはMAXの30dBです。
これは屋根上に登る技術があるのでできる事ですが、屋根より低い位置でMER・BERともMAXとは立地条件等にもよりますが、なかなか出る数値ではありません。
どうしても納得できる数値が出ない場合は、無理せずプロにお願いした方がよろしいかと思います。
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