レベルチェッカーの使い方 テレビが映らない編

私は別会社名義で、アンテナ取り付け工事を請け負っております。

そう言う意味では、テレビアンテナに関しましては一応「プロ」であります。

 

当然、テレビアンテナ取り付けのご依頼がほとんどなのですが、月に数件は、「テレビが突然映らなくなったので、調べてほしい」とのご依頼があります。

テレビが突然映らなくなる原因はさまざまですが、大きく分けて2つあります。

 

アンテナ設備(ケーブルテレビ等の設備)の異常・故障

テレビ周辺の異常・故障

 

アンテナ設備の異常には、電波状況が悪い事も含みます。テレビ周辺の異常にもテレビ本体の故障も含みます。

 

私はプロですので、レベルチェッカーを用いてどこが異常なのか?判断する事はもちろん可能です。

ただ、レベルチェッカーを持っていない一般の方ですと、そうは簡単に異常個所を特定するのは難しいでしょう。

 

逆に言えば、レベルチェッカーがあれば、比較的簡単に、異常個所の特定ができます。

 

本日は、テレビが突然映らなくなった時のレベルチェッカーを使っての対処方法を説明致します。

 

レベルチェッカー使い方

まず、テレビが映らなくなった場合、ほとんどのテレビが上記の画像のような表示がでると思います。

「E202」と言うエラーメッセージは、電波が受信できないときのエラーメッセージになります。このエラーメッセージを見ると「アンテナが原因か?」と思いがちですが、そうではない場合もありますので、注意が必要です。

似たようなエラーメッセージで、「E201」・「E203」等もあります。

 

逆に、全くエラーメッセージの表示がなく、ただただ真っ黒な画面になった場合や、音声は聞こえるが画面は真っ黒なのど場合は、完全にテレビの異常・故障と思って間違いないです。

 

では、レベルチェッカーを使って、テレビが映らなくなった原因を探って行きましょう。

レベルチェッカー使い方

まずは、テレビ背面に接続してあるアンテナケーブルを抜きましょう。画像はBSアンテナも受信可能状態ですので、分波器が接続してありますが、要領は同じです。

上記画像の「中継アダプター」を使って、テレビに繋がっていたアンテナケーブルと付属のアンテナケーブルを接続し、レベルチェッカーをつなぎます。

アンテナケーブルをレベルチェッカーに直接接続しても構いません。

上記画像のように繋げば、レベルチェッカーにて、テレビ直前まで来ている信号の状態を測定する事が可能になります。

レベルチェッカー使い方

テレビ直前の信号の数値です。〇で囲ってあるMERの数値を見るとMAXの30dB。表示も「GOOD」になっております。これなら数値的には全く問題ありませんので、普通なら問題なくテレビは映るはずです。それでもテレビが映らないと言う事は、テレビ本体の問題と確定するわけです。

テレビが故障しているか、単純にテレビの設定ミス(チャンネル設定をしていない等)でしょう。

 

レベルチェッカー使い方

次に、上記画像のように、数値が悪い場合です。〇で囲ったMERの数値が12.0dBしかありません。もちろん「GOOD」表示も出ていません。これではテレビは視聴不可となります。

この数値を元に、徐々に測定する箇所を移動して、数値が良くなる箇所を探し出せば、異常個所が判明するわけです。

私がレベルチェッカーを使って異常個所を特定する場合は、テレビ付近からアンテナに向かって測定していきます。

思い込みで「アンテナに異常がある」と想定してしまうと、返って異常を特定するのに時間がかかってしまいます。

思い込みを捨てて、順を追って調べましょう。

 

私の場合は・・・・

テレビ直前→レコーダー入出力→テレビ端子→分配器→ブースター電源入出力→ブースター入出力→アンテナ

の順に下流から上流に向かっていくイメージで測定してます。

そうして、異常な数値がどこから始まったのかが分かれば、その箇所の修理・交換すれば良いわけです。

 

よくあるのが、テレビ端子からテレビやレコーダーに配線されているアンテナケーブルの接触不良でテレビが映らなくなる事です。

 

その場合、なかなか目視で判断は一般の方では難しいので、レベルチェッカーの使い方が分かると、意外と簡単に見つける事が可能です。

 

ブースター電源に付ついては、築年数によっては、テレビ端子に付いていたり、屋根裏に付いていたりと様々ですし、ブースターが付いていない場合もとうぜんあります。

ブースターやアンテナを直接測定する場合は、設置場所が屋根上などの場合もありますので、危険を伴うような場合は、素直にプロに任せた方が無難です。