電波測定器(レベルチェッカー)の使い方 BS編

電波測定器(レベルチェッカー)LC60WSの使用方法の第2弾!今回はBSアンテナについての使用方法のご説明を致します。

基本的には「電波測定器(レベルチェッカー)の使い方 地デジ編」を読んでいただければ、ほとんど同じ使用方法となりますが、若干、BS特有の使い方がありますので、その点のご説明となります。

 

なお、レベルチェッカー「LC60WS」はBS左遷・CS左遷(4K放送)の測定も可能です。

はじめに

地デジ編では、最初に電波塔(中継局)の位置把握と物理チャンネルの把握が必要とご説明いたしましたが、BS/110°CSに関しては、それほど重要ではありません。

なぜならBSには電波塔なるものが存在せず(当たり前ですが・・・)静止軌道上のBS衛星から電波が送電されております。

その為、物理チャンネルも地デジのように電波塔ごと違う事もなく、そもそもどのメーカーのレベルチェッカーも予め、BS/110°CSの物理チャンネルがプリセットされております。

位置的には多少地域によって違いはありますが、南西方向の空に衛星があります。

因みにスマホのアプリで、BSアンテナ方向調整に役立つアプリがあります。

BSアンテナアプリ

このアプリを使用すれば、比較的簡単に方向調整ができると思います。

レベルチェッカー使用方法(BS/110°CS)

基本的には地デジ編と同じですが、改めてご説明致します。

まずは画面右下の電源ボタンを長押しして電源を入れます。デフォルトで電源入れた直後はUHFモードになっておりますので、BSモードに切り替えます。

LC60WS

画面左下の「MOOD」ボタンを1回押すとBSモードに切り替わりますので、十字キー中央の「決定」ボタンを押しますと、BSモードに切り替わります。

LC60WS

同じようにもう一度MOODボタンを押してから決定ボタンを押しますと110°CSモードに切り替わります。

LC60WS LC60WS

同じ要領で、BSL(BS左遷)モード、CSL(110°CS左遷)モードに切り替わり各モードでの測定が可能になります。

LC60WS

UHFモードと同じく、画面左上が物理チャンネル表示、左下がレベル(電波強度)になります。

画面右中央の表示はUHFモードでは「MER」でしたが、BS/110°CSの場合は、「C/N」表示になります。

C/Nとは、carrier to noise ratioの略で、信号成分と雑音(ノイズ)成分との量の比率。テレビ放送を正常に受信するための信号品質の指標となる。この値が大きいほど信号の品質がよい。単位はデシベル(db)。搬送波対雑音比。C/N比、CN値、CNRと言ったりもします。

LC60WS

画面下の十字キー左を押すと、C/N表示からBER表示になります。

こちらのBERは地デジ編でのBERの説明と同じです。

 

簡単に言いますと、レベルが電波の強さの表示で、MER・C/N・BERは電波の質を数値化したものと思っていただければわかりやすいと思います。

 

では、BS編でも地デジ編と同じく、自宅のテレビ端子にレベルチェッカーを接続して説明致します。

LC60WS

レベルチェッカーをテレビ端子に接続し、電源を入れます。

MOODボタン+決定ボタンでBSモードに切り替えました。

BS1での数値です。レベルは84dBμV、C/Nは22.4dBです。

十字キー左を押してBER表示にしました。BERは0.00E-0です。

レベルは84dBμVも出ているので問題なし。(ブースターが付いています。)

BERも0.00E-0でMAXです。

C/Nは22.4dB。BSアンテナの場合、アンテナのサイズによりレベル、C/Nが変わってきます。自宅に付いているBSアンテナは一般家庭用の45型と言われるものです。ホームセンター等にも売っている「普通」のサイズのBSアンテナです。

45型のBS/110°CSアンテナの場合、地域差もありますが、レベルが75~80dBμVほど。C/Nが22~23dBほどかと思います。BSアンテナのサイズが大きくなるほど、C/Nは数値が大きくなります。

自宅のC/Nは22.4dBですので、ほぼMAXな状態かと思います。

物理チャンネルを十字キー上下ボタンをおしてBS3に変更しました。BS1とほぼ同じ数値です。

今度はCSモードに切り替えました。C/Nが25dBです。このレベルチェッカーのMAX数値です。

同じくBSL・CSLにモード切替。ただ自宅のBSアンテナは最近の4K8K対応BSアンテナではないので、当然数値は表示されません。(BSL・CSLモードではBER測定機能はありません)

BSも地デジ編と同じく、C/N・BERとも「GOOD」表示が出れば問題なく視聴可能ですが、悪天候などでC/Nの数値が悪化する事も考え、C/Nは最低でも「20dB」以上になるのがベストかと思います。

 

BSアンテナの方向調整(設置)に使用する場合

地デジアンテナの設置と同じく、BSアンテナ設置時にレベルチェッカーを使用する場合は、自己責任にてお願いいたします。

場合によっては高所での作業となりますので、十分な事故対策を行ってからの作業をお願いいたします。

 

レベルチェッカーを付属の同軸ケーブルを使用してBSアンテナに接続してください。

地デジアンテナと違って、BSアンテナは手で持って動き回りながら数値の良い場所を探すと言った事はできません。数度方向が違うだけで全く受信できませんので、まずBSアンテナを取り付ける金具を設置しましょう。

BSアンテナ用金具も色んなタイプがありますが、一つ言えることは必ず真っすぐ垂直に金具を設置して下さい。

少しでも曲がっている金具にBSアンテナを取り付けても、なかなか思うように受信してくれません。

 

設置場所は南西方向が開けている場所が良いです。南西方向に樹木や建物があると、まず受信は不可能です。ただし、南西方向に障害物があっても40°位の高さが開けていれば受信は可能です。(樹木がある場合は、成長して障害になります。)

逆に言えば、南西方向が開けていて障害物が何もない状態でしたら1階でも受信可能です。

金具を設置したらBSアンテナを仮設置します。コツとしては設置する前に仰角を40°前後(地域によって多少ちがいますが)に仮止めした状態で金具に取り付け、南西方向に仮止めし、少しづつ動かしながらレベルチェッカーの数値が最大になるようにします。

方向調整が決まってから改めて仰角を微調整し、数値が最大になったところで固定するのが、一番早く簡単にBSアンテナの設置が可能です。

こちらはBS/110°CSアンテナを設置しているときの画像です。

レベルチェッカーの画面左上に「給電」と表示があります。

BSアンテナは地デジアンテナと違って、AC15Vを給電してあげないと作動しません。

BSアンテナの測定をする場合は、画像のように十字キー右下にある「給電」ボタン+「決定」ボタンでアンテナに給電を行います。

BSアンテナにAC15Vを給電した状態で、方向調整を行ってください。

 

ただし、レベルチェッカーから長時間給電しっぱなしにしますと、あっと言う間にバッテリー切れを起こします。

小まめに電源の入り切りをしながら作業を行ってください。完全にバッテリー切れを起こしますと、測定は不可能になりますので、その場合はお客様ご自身で単三乾電池4本をご用意の上、内蔵の単三型充電バッテリーと交換して、改めて測定を始めてください。

 

 

 

 

 

 

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井出 泰彦